分配可能額規制に対して大手監査法人が内部で注意喚起。監査法人は、なぜ分配可能額規制違反に気がつけなかったのか?会社法の誤った理解が原因か。

2023年6月2日にニデックが中間配当と自己株式取得の分配可能額規制違反を公表した後、他の上場会社でも分配可能額規制違反が相次いで判明。監査法人は分配可能額規制違反について内部に注意喚起した。

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NHKがインターネット活用業務実施基準に違反するBS放送のネット配信に関し、理事会決議を経ずに予算を計上した問題について再発防止策を公表。「ガバナンス」の問題で一括りにするのは適切ではない。

NHKが、2023年7月26日、BS放送の番組をネット配信することは「NHKインターネット活用業務実施基準」に違反するにもかかわらず、総務省の認可を経て同基準に改訂することもなく同基準に違反したまま、かつ、理事会決議を経ずに、配信のための費用約9億円を2023年度の予算として計上した問題は、ガバナンスの問題として一括りにするのではなく、法規制・基準違反と社内手続違反とに分け、さらに分解して問題点・課題を整理して対応することが再発防止のために必要不可欠です。

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そごう・西武の労働組合がスト権を確立。親会社であるセブン&アイHDは団交の申し入れ、ストライキにどう対応したよらよいか。株式譲渡による事業再編(M&A)という特殊性を考慮すると・・。

子会社であるそごう・西武労働組合による団交申し入れに親会社のセブン&アイHDは応じる義務があるか。団交拒否ができるのか。労組法上の「使用者」に該当するのか。団交を始めた後の組合切り崩しは支配介入に該当するので注意が必要。

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ビッグモーターが保険金不正請求に関する調査報告書全文と役員の経営責任を公表。なぜ防止できなかったのか?コーポレートガバナンスの課題と取締役の責任について。

ビッグモーターが保険金不正請求に関する調査報告書全文と役員の経営責任を公表。非上場会社であるビッグモーターが保険金不正請求を防止できなかった原因とコーポレートガバナンス、取締役の責任に関する課題。

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三井石油開発が北海道ニセコで行う地熱発電の資源量調査の現場からヒ素、硫化水素を含む蒸気が噴出。環境を汚染する事故が発生した後の危機管理対応はどうすべきか?

大気汚染・土壌汚染・水質汚染など環境問題への危機管理は、地域の住民から会社の信用を回復する、地域の住民の被害の拡大を防止するだけではなく、企業の社会的責任(CSR)やESGとして株主・投資家をも意識する必要があります。

その際には、ただ情報を垂れ流すのではなく、専用ページを設置し、折れ線グラフや棒グラフなどを駆使して見せ方を工夫する、わかりやすくレベルの言葉に置き換える工夫なども必要です。

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日本通運子会社の元従業員が「内部通報を理由に懲戒解雇された」と主張していた訴訟で和解が成立。言動に問題がある従業員が内部通報・告発したら会社は懲戒処分できなくなってしまうのか?

内部通報・告発者を懲戒処分する際には、内部通報・告発を理由とした不利益取扱いと誤解される可能性がきわめて高いです。

そのような誤解をされないためにも、また懲戒処分が不利益取扱いだと主張され訴訟に発展したときに裁判所で戦えるためにも、内部通報・告発者の過去の問題ある言動を把握した経緯や、懲戒処分に関する社内手続の記録を残し、弁明の機会を与えるなど就業規則・懲戒規程を守った適正な手続を経て、相当な処分をするようにしてください。

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大手損保4社が独禁法が禁止する「価格カルテル」の疑い。東急向け火災保険料のほか、仙台空港向けの保険料で事前に価格調整か?取引先からの違法・不正・不適切な行為の指摘や通報があった際に講じるべき社内危機管理と調査。

取引先からの違法・不正・不適切な行為の指摘・通報であっても、内部通報と同様に受け止め、適切な危機管理を行うことが取締役の責任であり義務です。

また、その際には、目の前で問題になった事実を調査するだけでなく、過去に遡って事実を調査することが必要です。

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ビッグモーターが保険金不正請求に関する調査報告書の概要だけを公表。被害者である保険会社が講じるべき対応・措置は?

特別委員会・第三者委員会による調査報告書の公表の要否は、危機管理広報の観点とコーポレートガバナンスの観点から判断する必要があります。これは、ビッグモーターのケースに限りません。

また、保険金の不正請求の被害を受けた保険会社は、納得するまで説明することを求め、かつ、不正請求に応じて支払った保険金を損害賠償・返金するように請求し、保険会社の損害を充填することが必要です。

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経産省が社外取締役向け研修・トレーニングに関する調査結果を公表。研修やトレーニングが必要な人材は社外取締役としての適性があるのか?

経産省が社外取締役向け研修・トレーニングに関する調査結果を公表。でも、専門知識や経験がある社外取締役を選任していれば、研修・トレーニングなど本来なら不要なはず。

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国交省航空局長が会食費を負担してもらったことを理由に懲戒処分された後、辞職。会社は公務員にどこまで営業活動できるのか?国家公務員倫理法・倫理規程の基本を抑える。

国家公務員倫理法・倫理規程は公務員を規制する法律。公務員への営業活動をする会社も、その内容を理解しなければバッシングを受けたり贈収賄になる可能性がある。

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