日本通運子会社の元従業員が「内部通報を理由に懲戒解雇された」と主張していた訴訟で和解が成立。言動に問題がある従業員が内部通報・告発したら会社は懲戒処分できなくなってしまうのか?

内部通報・告発者を懲戒処分する際には、内部通報・告発を理由とした不利益取扱いと誤解される可能性がきわめて高いです。

そのような誤解をされないためにも、また懲戒処分が不利益取扱いだと主張され訴訟に発展したときに裁判所で戦えるためにも、内部通報・告発者の過去の問題ある言動を把握した経緯や、懲戒処分に関する社内手続の記録を残し、弁明の機会を与えるなど就業規則・懲戒規程を守った適正な手続を経て、相当な処分をするようにしてください。

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性同一性障害と診断された経産省の職員が執務フロアと上下階の女性用トイレを使用することを認めない人事院の措置について、最高裁が違法とする判決。中立的な立場から企業のLGBT対策への影響を解説する。

性同一性障害と診断された経産省の職員が、執務フロアと上下階の女性用トイレを使用することを認めない措置について、最高裁が違法とする判決。

性同一性障害/トランスジェンダーの職員が女性用トイレを使用することができるかどうかは、具体的な事情を考慮して、性同一性障害/トランスジェンダーの職員と女性職員との公平性・受ける不利益の程度を考慮して判断するように、と最高裁は判断しただけです。

最高裁は、男性が性同一性障害/トランスジェンダーを自認すれば女性用トイレを使用できると認めたわけではありません。

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東海道新幹線の運転士と車掌の年次有給休暇取得に対する時季変更権の行使の適法性について東京地裁と大阪地裁で判断がわかれた。時季変更権を行使できる「事業の正常な運営を妨げる場合」とは。

年休の時季指定に対して、人員不足で業務上支障が生じるおそれがあることだけを理由に時季変更権を行使することは違法(特に人員不足が常態化しているときに時季変更権を行使することは違法)。代替要員確保に向けた通常の配慮・努力をした後にだけ時季変更権を行使することができる。

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経産省が社外取締役向け研修・トレーニングに関する調査結果を公表。研修やトレーニングが必要な人材は社外取締役としての適性があるのか?

経産省が社外取締役向け研修・トレーニングに関する調査結果を公表。でも、専門知識や経験がある社外取締役を選任していれば、研修・トレーニングなど本来なら不要なはず。

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済生会山口総合病院が正規職員の手当を減額したことが、同一労働同一賃金の原則の趣旨に違反しないかが争われた。山口地裁は就業規則の不利益変更の合理性を認め、正規職員の請求を棄却(上告不受理で広島高判確定)。差別的取扱いの禁止、不合理な待遇差の禁止とは何かを整理する。

済生会山口総合病院が正規職員の手当を減額したことが、同一労働同一賃金の原則の趣旨に違反しないかが争われた。山口地裁は就業規則の不利益変更の合理性を認め、正規職員の請求を棄却。差別的取扱いの禁止、不合理な待遇差の禁止とは何か。

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役員による経費の私的流用を調査・指摘したら解雇。鳥取ガスが内部通報者に不利益取扱い?

鳥取ガスの部長と鳥取ガス産業の執行役員2人が役員による経費の私的流用を内部通報したところ、守秘義務違反を理由に解雇に。税理士への相談は守秘義務違反になるのか、また社内調査した内部通報者を解雇することに相当性はあるのか。

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爆縮により圧壊した潜水艦「タイタン」の開発中に安全性の問題を指摘した従業員は解雇されていた。内部通報・告発と守秘義務の関係を整理する。

内部通報・内部告発には守秘義務違反の側面があることは否定できなに。しかし、守秘義務違反を理由に懲戒処分や損害賠償請求できるかは、公益通報者保護法、懲戒処分濫用法理に照らして判断する。内部通報・内部告発が間違っていたとしても、真実・真実相当性、通報告発の目的、通報告発の手段に照らして問題がないときには懲戒処分できない

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女性取締役・管理職の推進と機関投資家の議決権行使とLGBTの関係に素朴な疑問。多様性の要請のために、役員候補者はLGBTの告白を強要されるのか?

女性取締役・管理職を推進するための「女性の骨太方針2023」と、LGBT理解増進法の趣旨は矛盾しないか。見た目が男性だけれどトランスジェンダーアイデンティティが女性の役員候補者はどう扱うのか。

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LGBT理解増進法が成立。中立的な立場から、会社が講じるべき措置、役員・従業員研修で教えるべき内容のポイントを抑える。

中立的な立場で、LGBT理解増進法のポイントを整理し、その後に、会社が講じなければならない措置の内容、役員・従業員研修で教育すべき内容を抑えましょう。

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